ヤマトが撤退しても当日配送を続けるamazonの作戦とは!?

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amazonプライムデーによるヤマトの苦悩

7月10日午後6時から始まった有料会員向けのビッグセール「amazonプライムデー」。プライム会員の方であれば今回のamazonプライムデーでお買い物をした方も多いのではないでしょうか?今年で三年目となるこのamazonプライムデー、今年は昨年よりも時間を引き延ばして、11日の午後23時59分まで実施されました。初日は開始直後からアクセスが集中したためトップページにつながりにくくなるなど、これまで以上に注目を集めました。

今回のamazonプライムデーは、ネットニュースなどで大々的に報じられていますが、報じられているのはセールの内容にかぎったものだけではなく、「宅配業者がパンクしてしまわないのか」といった点も注目されています。それは、amazonの宅配量の増加に耐えられなくなったヤマトが当日配送から撤退を始め、デリバリープロバイダと呼ばれる小規模事業者の活用が増えているからです。

本格的な配送が始まった7月11日には、荷物が多くてミスが起きるほか、運送業者のドライバーたちは、12日にかけて、「かつてない程の量が到着するかもしれない」と戦々恐々としていたそうです。

7日連続の真夏日となった東京「水の箱買い、運ぶのが大変」と汗をぬぐうヤマト

amazonプライムデーが始まった7月10日夜、amazonの制服を着た配達業者の話によると、会社からは「明日は年に一度の大安売りの日」と言われ、あらかじめ「忙しくなる」と念を押されていたそうです。

本格的な配送が始まった翌7月11日の朝、都内北部で、amazonプライムナウの配送を担当する男性は、朝から荷物が大量だと、乾いた笑いを浮かべていたそうです。20数名で新宿区や豊島区などを担当しているのこと。

「時間指定があるから大変ですよ。もう死んじゃいそう。水を箱買いする人が多いみたいなんですが、1度に何ケースも頼むんだからね。移動は台車を使うからよいけど、団地の5階まで階段なんてのもあるから…」

大量の商品に、ピックアップミスも

一部地域を対象に、注文から配達まで最短2時間で行う「amazonプライムナウ」でも、プライムデーにあわせて、プライムデー限定イベントを実施しました。しかし、遅延トラブルも発生したようです。

東京都内のとある主婦は7月10日の夜、「プライムナウ」が扱う日本橋三越本店のプライムデー限定の商品を注文しました。ランチに食べようと、配達時間を12時~14時に設定しましたが、到着したのは、14時ギリギリでした。そして配達員から「一部、商品が入っていないようでした。不足分は後で必ずお届けしますので」と言われたそうです。

それからしばらく待っても、アプリは「商品準備中」のまま変わらず…。予定より遅れて1時間後、amazon側からお詫びの電話が入り、持ち出しの際の「エラー」があったためだと説明をされました。その後、300円のクーポン券がアカウントに送られてきたそうです。

そして、15時30分過ぎに、配達員が到着。「(三越での)ピックアップを間違えました。ごめんなさい。いつもは荷物が少ないんですが、今日はどっさりとあって。プライムデーだからかもなんですけど、本当に量がすごくて。ごめんなさい」とひたすら謝っていたといいます。

それ聞いた主婦は「舞台裏の大変さが配達員の方の表情からわかり、なんだか申し訳なく感じました」と話していたそうです。

既にパンク気味の「デリバリープロバイダ」は荷物量をさばくことはできるのか?

amazonの配送は、現在、当日配送から撤退を始めたヤマト運輸と、「デリバリープロバイダ」と呼ばれる小規模業者などが担っています。神奈川エリアで働くヤマトのセールスドライバー男性Aさんは、次のように最近の動向を語っています。

「これまではamazonだけで、1人当たり午後便で20~30個、夕方便で10個ほど入ってきていました。当日便が減ったので、午後からのアマゾンが少なくなり、夜の配達が大きく減りました」

減った分は別の業者に回っているとみられますが、プライムデー以前から、遅配を訴える声がネット上で多く見られるようになっていました。

amazonジャパンのジャスパー・チャン社長は7月10日、プライムデーの開幕を前にした記者会見で、この問題に言及しました。件数こそ明かさなかったものの、遅配の発生を認めました。そのうえで、「問題は解消した」「プライムデーに向けて準備をしてきた」と強調しました。

この点について、ヤマトやamazonの倉庫に潜入取材したことがある、ジャーナリストは次のように疑問を呈しています。

「宅配は上位5社で99%以上のシェアがあり、デリバリープロバイダは、実力も経験も不足しています。amazonはサーバー事業をやっているのに、そのトップページにつながらない。アクセス過多だとしたら、プライムデーで相当な数が買われているはず。既に遅配など、無理が出てきているのに、デリバリープロバイダだけでは対応できないでしょう」

結局、メインになるのはヤマト運輸とみられますが、ヤマト自身もお中元の配達と重なり、かなりの負担を強いられそうです。

都内の気温は30度を超え、7月11日で7日連続の真夏日。炎天下の中、宅配業者は働いています。プライムデーによる配送のピークは明日12日まで続く見込みで、明日以降、さらなる混乱が生じる可能性もありません。

amazonの戦略勝ちという説も

幾度となく取り上げられてきたヤマト運輸とamazonの話題ですが、ひとつ興味深いのがこのヤマトの撤退はamazonの作戦通りなのではないか、という説です。

一体どういうことなのか、さっそく見ていきましょう。

まず、このamazonとヤマトの問題をあらためてまとめると、

  1. ・宅配個数の増加で配達ドライバーなどの人員が不足
  2. ・amazonの「当日配送」などにより、ドライバーの長時間労働が問題化
  3. ・ヤマトはamazonの「当日配送」から撤退を決定
  4. ・送料の値上げや時間指定枠を減らすなどの措置も

というものでした。

これはamazonだけが原因というわけではなく、ヤマトが年間に請け負う宅配個数が約16億個、そのうち2億5千個がamazonだそうなので、この数字を見てもかなりの数がamazonで占めていることが分かりますよね。

 

ネットでも度々話題となりましたが、「ヤマトの現状が厳しいらしい」というニュースが各所で流れた時、みなさんはどう思われましたか?

  • 「amazonは安くヤマトをこき使ってるのか?」
  • 「ヤマトは納得してamazonと契約しているわけだし、ヤマト上層部の考えが甘かったのでは?」
  • 「色々あるだろうけど、結局ヤマトのドライバーさんが一番大変」

等…、このどれかを思った方もいたのではないかと思います。

「同業他社の幹部が『ヤマトは同情的な世論をつくりあげた。恐ろしくしたたかな会社』と述べていた」そうですが、確かにこの後に続く「送料値上げ」や「指定時間枠の縮小」など、私たち顧客から大きな批判も浴びることなく、変更に踏み切りました。

さらにヤマトはamazonの「当日配送」からも撤退を決め、amazonにとってはかなりのダメージとなったであろうことが想像できます。

ところが…!

なんと…、「ここまですべてamazonの作戦通りだった」という驚きの説が浮上しているのです。

なんでもamazonは、みなさんご存知の通り世界中でサービスを展開しておりますが、「その国の宅配業者のキャパが限度に達すると、自社での配送に切り替え、徐々に浸透させていく」という戦略をとっているという話まで浮上しているのです。

一体何故そんなことを?と思う方も多いかと思いますが、やはり他国に進出する際、その国の宅配業者を使わないことには宅配業界がうるさい=なるべく要らぬ問題を起こしたくはない、ということのようです。

しかし宅配業者が自らギブアップしてしまえば、amazonは余計な手間をかける必要なく、自社配送を浸透させられる…ということになるのです。

事実、日本では最初、佐川急便がamazonの配送を担当していましたが今では撤退。その後ヤマトになったもののヤマトまでもが撤退。業界1位と2位が撤退したとなれば、他企業もなかなか安易に手を挙げることはできないですよね…。

現に「ヤマトが当日配送から撤退」と決まったあと、amazonが新サービスとして開始した生鮮食品販売の「amazonfresh」はamazonが自社で配達を行うサービスとなっております。

さらにamazonは他国だけでなく、自国であるアメリカでもコスト削減のために大手宅配業者ではなく、自社宅配ネットワークを作り上げる計画があるとのことなのです。

 

つまり、

  • 「amazonは安くヤマトをこき使ってるのか?」
  • 「ヤマトは納得してamazonと契約しているわけだし、ヤマト上層部の考えが甘かったのでは?」
  • 「色々あるだろうけど、結局ヤマトのドライバーさんが一番大変」

という考えではなく、

「amazonもやり方が上手いね〜これで事業を拡大するわけか」

と考えるのが正解であったのかもしれません。

もちろんこれはあくまでも「一説」にすぎないのですが、ここまでの一連の流を見ていると確かに辻褄が合うような気もしなくもないですよね。これが事実であるとしたら、amazonはなかなかの上手(うわて)ということになりますよね。