GAFA (Google, Apple, Facebook, Amazon) の影響で広がるデータ規制

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突然ですが、読者の皆さんは”GAFA”という言葉を知っていますか?毎年恒例である”流行語大賞”の今年の候補のひとつにピックアップされた言葉だ。流行語の候補になるくらいだから、どこかで熱烈に流行しているに違いない言葉なのだ。GAFAとだけ聞いてもピン来ない方ももしかしたら多いかも知れない。しかし、このGAFAとと言う言葉は世界ではもはや常識なのだ。ではGAFAととは何だ?そう簡単に言ってしまえばGoogle, Apple, Facebook, Amazonの頭文字を取って、”GAFA”。Google, Apple, Facebook, Amazonと言えば、アメリカ発の巨大なIT企業達だ。これらの存在は逆に知らない人なんて存在するのかさえ疑わしい程に認知されている存在だと思う。詳しく知らない人が居たとしても一度は聞いた事があるものだろう。ではこれからの頭文字を取った”GAFA”。今年に入り、ビジネスマン達の間ではもうすっかり定着した言葉なのだ。では今回はこのGAFAに迫ってみたいと思う。

 

 

GAFA (Google, Apple, Facebook, Amazon)の時価総額の合計はいくら?

まずGAFA (Google, Apple, Facebook, Amazon) アメリカ発の巨大IT企業である4社の時価総額に迫ってみたいと思う。その金額は…なんと…

 

GAFAの時価総額(2018年11月2日付の終値)は 2兆9700億ドル、日本円に換算すると約320兆円

 

と言う金額だ。320兆円と言われてもまったく想像出来ない途方もなく巨大な金額なのは間違いない…。この320兆円と言う金額。まさにイギリス、そしてインドのGDPを上回る金額なのだ!!これだけでも驚愕の数字なのだが…このGAFA (Google, Apple, Facebook, Amazon)4社の去年1年間の売上合計が5587億ドル。日本円にして約62兆円という額だけでもベルギー、スウェーデン、台湾のGDPを上回るのだ。アメリカ発のいち企業が、国のGDPを超えるなんて…。なんかもう凄すぎて逆に良く分からないけどとにかく凄いんだって事はわかるような気がします。

 

 

GAFA (2018年7月~9月期)の驚愕の業績

■ Alphabet Inc.(アルファベット/Google 持ち株会社)
売上高は337億ドル、純利益は91億ドルで前年同期比の売上高は21%増、純利益は36%増となった。

 

■ Apple Inc. (アップル)
売上高は629億ドル、純利益は141億ドルで、前年同期比の売上高は過去最高を記録し32%増、純利益は20%増となった。

 

■ Facebook(フェイスブック、FB)
売上高は137億ドル、純利益は51億ドルで前年同期比は33%増、純利益は同33%増となった。

 

Amazon.com, Inc.(アマゾン・ドット・コム)
売上高は565億ドル、純利益は28億ドルで、前年同期比の売上高は29%増、純利益は1126%増となり過去最高を記録した。

まさに無敵状態と言えるGAFA (Google, Apple, Facebook, Amazon)の驚愕の売上高と純利益だ !!

 

開始されたGAFA (Google, Apple, Facebook, Amazon)への逆襲!!

今やGAFA (Google, Apple, Facebook, Amazon) は国家のGDPをも大きく飲み込む存在となった強大なIT企業達である。まさに沈む事の無い無敵艦隊であるGAFA (Google, Apple, Facebook, Amazon) だが、この強大な無敵艦隊を取り巻く状況は少しづつではあるが変化しつつある。遂に無敵艦隊に対して、国家の逆襲が開始されたのだ。国家からまさに逆襲とも言える”規制”が繰り出されたのだ!ではどんな規制が開始されたのだろうか。

 

 

 

国家からGAFAに対する”規制”と言う名の逆襲

GAFA (Google, Apple, Facebook, Amazon)に対して執行された規制は以下のとおりである。

 

1. 独占禁止法、競争法
2. 税制
3. データ・プライバシー規制

 

EU競争法によるGAFA (Google, Apple, Facebook, Amazon) に対しての規制は早い段階から行われていた。GoogleはEU委員会から3年前の2015年に既に警告を受けているのだ。2017年には24億ユーロ、日本円にして約3000億円、そして2018年には更に43億ユーロ、日本円にして約5700億円の制裁金を支払っている。GAFA (Google, Apple, Facebook, Amazon)はヨーロッパ各国でも巨額の利益を得ているが、ヨーロッパ地域内において恒久的施設を設置しておらずヨーロッパ各国に対しての税金逃れをしていると批判を浴びる結果となっている。

 

 

イギリス政府が打ち出したGAFAに対しての課税法案”

イギリス政府は2018年10月にGAFA (Google, Apple, Facebook, Amazon) をターゲットとした新たな課税法案を打ち出したのだ。その課税法案とは”デジタル課税”というもので2020年の導入を目指し動いている法案だ。まさにターゲットはGAFA (Google, Apple, Facebook, Amazon) である。イギリス国内においての売上2%の税を課すというものだ。まさにGAFA (Google, Apple, Facebook, Amazon) に対しての逆襲と言えるだろう!またEU全体でもこの”デジタル課税”は検討されていたのだが、低い税率で企業の誘致をしたいと考えるいくつかの国の反対によってEUでの”デジタル課税”法案は成立していないのが現状だ。

 

 

“最も厳しいプライバシー規制”GDPRという名の逆襲

GAFA (Google, Apple, Facebook, Amazon) に対しての逆襲の中でももっとも厳しい逆襲だという見方として注目なのが2018年5月に発動されたGDPR(ヨーロッパ一般データ規制)だ。GDPRとはEUの加盟国にヨーロッパの3カ国を追加したEEA(ヨーロッパ経済地域)、内に所在する個人情報の保護を強化する規制であり、世界でも最も厳しいプライバシー規制だとして注目を集めているのだ。EEA対象地域外へ個人情報を持ち出す事は禁止されており、違反すれば制裁金が最高で2,000万ユーロ、日本円にして26億円、もしくは全世界売上高の4%が徴収されると言う非常に重たい規制である。そして注目すべき点は他にもある。EEA対象地域を拠点としない企業だとしても、オンラインストアなどでEEA対象地域において事業を展開していた場合は、これも規制の対象とすると言う部分だ。またEEA対象地域内の個人は”忘れられる権利”として情報の削除を求めたり、データポータビリティーと言った企業が収集、蓄積した個人情報を他のサービスでも再利用出来るようにしたもの等がGDPRの特徴と言えるだろう。これはまさに業種的にも世界で多くの個人情報を保有しているGAFA (Google, Apple, Facebook, Amazon)に対して想定した規制と言える。ユーザーがSNSや検索エンジンを利用する際には自分のプライバシーに関する情報を無意識に渡しているのだ。GoogleやFacebookを無料で利用する代わりにユーザーは膨大な個人情報を提供している。GoogleやFacebookはユーザーから得た様々な情報を分析する事で精度が非常に高い広告を販売している。去年のアメリカのデジタル広告市場でGoogleとFacebookはまさに58%以上の占有率を誇るのだ。だからこそEEA対象地域で発動したこの”世界で最も厳しいプライバシー規制”はGAFAに見事に当てはまるGAFAを想定としか思えない規制なのだ。

 

 

いったい誰のもの?プライバシーに関する情報の所有権

SNSや検索エンジンなどで収集される個人情報の所有権はいったい誰のものなのだろうか。無料でサービスを利用しているとは言え、その企業が個人のプライバシーに関わる情報を保有している事は果たして間違っていないのだろうか。この個人のプライバシーに関する情報の所有権に関してGDPR(ヨーロッパ一般データ規制)の考え方としては、個人のプライバシーに関する個人の情報の所有権は本人であると主張する。現在、世界各国においてデータ保護法制の検討や整備などが進んできている。2015年ロシアで改正された”個人データに関するロシア連邦法”。そして去年、中国でも整備された”サイバーセキュリティ法”、EUでも”eプライバシー規制”なるものが改正された。さらにはアメリカ、カリフォルニア州で今年2018年に成立したばかりの消費者プライバシー法だが、2020年に遂にスタートする事になる。アップルでも今年、GDPRへの対策としてブラウザアプリケーションであるサファリに対してユーザーが閲覧した履歴への追跡を防ぐ機能の強化の実施を表明したばかりだ。追跡を防ぐ機能を強化すると発表した。

 

日本でもようやく動きが?GAFA (Google, Apple, Facebook, Amazon)への”データ規制”

ヨーロッパから発せられたGAFA (Google, Apple, Facebook, Amazon) に対しての数々の規制が世界各地で広がりを見せる中で、日本でもようやく動きを見せ始めた。今年、総務省でGAFA (Google, Apple, Facebook, Amazon) を想定したプラットフォームサービスに関する研究会を発足。日本ではGAFA (Google, Apple, Facebook, Amazon) のように全世界で展開出来るような事業は生まれておらず世界からもだいぶ出遅れてしまっているのが現状だ。だからこそ日本でもEUを見習い個人情報の保護や競争における政策や税制などの措置の検討を急ぐべきだろう。個人情報やプライバシーを基本的人権としたGDPR(ヨーロッパ一般データ規制)のようなデータ規制が国際的な標準となれば日本企業としてもビジネスを展開するチャンスも見えてくるはずだ。